昨日の東海大学ラグビー部の敗戦に関する記事が今日ニュースで出ていました。監督は選手に対しねぎらいの言葉をかけており、また各選手のコメントが発表されていましたが、その中で背番号14WTBの中川選手(体育学部4年京都成章高)のコメントに目を引かれました。
その内容は
「悔しすぎて涙も出ませんでした」
とのこと。本当に4年間一生懸命取り組んできたことを実感し、彼のこのコメントに深く感銘を受けました。
またこの記事を見たときに彼が11月24日リーグ最終戦の流通経済大学戦後のインタビューで言った言葉
「東海はもう負けないんで、、、これからも応援よろしくお願いします!」
というコメントも思い出しました。このときの発言は当然、今回の結果が出る前の言葉なのでかなり強気の発言であることはいうまでもなく、私としてはこのインタビューを聞いたときに「なんて強気な子なんだろう」と彼の「たくましさ」を感じると同時に「この自信はどこから来ているのだろう」という疑問も抱いていました。結果的には今回負けてしまったので、人によってはこの「負けないんで、、、」発言に対し、終わった後に「後ろ指」指す人もいるかもしれませんが私はそうは思いません。なぜならあのアントニオ猪木氏の名言にもこの発言と似たような名言があるからです。
その猪木氏の名言とは、猪木氏と坂口征二氏(現在俳優で活躍している坂口憲司さんのお父さん)がタッグ戦で蝶野・橋本組と対戦する前のインタビューで出ました。インタビュアーが試合前、猪木氏に控え室でマイクを向け「負けたらたいへんですが、、、(はっきり覚えていませんがみたいな発言)」をしたところ、猪木氏が
「出る前に負けることを考えるバカいるかよ!」
と大声で怒鳴り、そのインタビュアーに思いっきりビンタをかましました。
このビンタが後の「闘魂注入」に発展したのですが、この言葉には、「やる前に勝つことしか考えんわ、それだけ勝ちたいんや、どんなに不利だろうが絶対負けないという強い意志が大事なんや、その意志が奇跡を呼ぶこともあるんだ!」などなど、いわゆる「「勝利に対する強い思い」を持つことが試合前には大事である!」ということを我々に教えてくれた言葉だと思っており、いろいろな困難に立ち向かう上で、人にとってとても重要な言葉だと私は思っています。前述の中川選手の「もう負けないんで、、、」発言はこれと同じで、彼の「本当に勝ちたい!」という素直で真面目な気持ちから出たものであると私は思っています。
中川選手は高校時代から花園に出場し、高校日本代表候補になり、東海大学でも2年生くらいからファーストジャージの14番を纏い、華麗かつ力強さを兼ねたダイナミックなランでチームのためにトライを量産してきました。彼は大学4年間でラグビーに関するテクニカルスキルだけでなく、精神的にも成長することができたのではないかと思います。これからリーグワンでも活躍されると思いますが、たとえラグビーをやめてもこの「猪木イズム」を持っている限り、きっと明るい未来が待っていると思います。自信を持って、今回の悔しさをバネにさらにいろいろな場面でご活躍されることを祈っています。