通信直埋ケーブルというものをご存じでしょうか?
今は通信用地下ケーブルは管路(鋼もしくは硬質ビニル製の管)の中に収容された状態で地下に埋設されていますが、昔は管路を作らず通信用ケーブルをそのまま土中に埋めていた時代がありました。このように管路を使わずそのまま土中に直に埋設されているケーブルを「通信直埋ケーブル」といいます。現在はケーブルの安全面(外的要因から保護する)、保全面(ケーブル引き換えが容易)を理由に、一部を除きほとんどが管路に収容された状態でケーブルは地中に埋設されています。
このような「通信直埋ケーブル」なのですが、少し前に秦野市の「弘法山」ハイキングコースを歩いているときに、山中で「通信直埋ケーブル」らしき証跡を見つけました。写真はその証跡である「旧電電公社(NTTが民営化する前の組織)」のマークがついた標杭の写真です。
「弘法山」は秦野市東部にある標高235mの山で、周りに浅間山、権現山と3つ連なっており、山道をたどるとそのまま伊勢原市の「大山」まで繋がっています。当然、見つけた地点は車など入れるようなスペースはなく、その昔旧電電公社の作業員が重たいケーブルを苦労して運び、山中を人力で掘削して埋設したものと思われます。ちなみに昔のケーブルは今のような「光ケーブル」ではなく「メタルケーブル」なのでかなり重いです。
私もサラリーマン時代に通信土木に関する仕事をしていましたが、歴史を感じ感動したのでご紹介しました。