問題と課題

最近、おかげさまでお客様との打合せが増えてきて、いろいろな方とお話しする機会が増えてきています。

その中で少し気になることがありました。それは「問題」と「課題」についてです。

 

よく、「問題だらけだ!」とか「課題が山積みだ!」とか、、、なんて会話が飛び出してきますが、この「問題」と「課題」って言葉自体の意味が違うんですけど、意外に曖昧に使われている方が多いですね。今日はそのおさらいをします。

 

「問題」とは「あるべき姿(目標)と現実(現状)とのギャップ」、「課題」とは「問題を解決するため(ギャップを埋めるため)に起こすアクション」を意味します。簡単な例をいうと以下の通りです。

 

例)今月、頑張ってダイエットして体重を65kgまで減らしたいんだけど、今67.5kgや。どないしましょ?

<問題>あるべき姿(目標;65kg)に対し現実(現状)67.5kgというギャップ(あと▲2.5kg)があること

<課題>「毎日5キロ走る」「間食を辞める」「ジムに通う」・・・・などギャップを埋めるためのアクション

 

技術士試験では問題文の中に条件付きで出題者からの「問いかけ」が書かれています。そして、それに対し「課題を3点挙げて」などの「課題」をまず挙げる問題が続きます。その後、その「課題」を実現するための「具体的な方策」やその方策をすることによって「新たに生じるリスク(社会的、環境的)」等が続く出題です。しっかりと問われたことに応えていくと自然に、出題者からの「問いかけ」に対して説得性・納得性のある「一気通貫」した文章となります。つまり、何がいいたいかというと今回冒頭でお話しした「問題」と「課題」の意味を間違えると、最初のところでその論文は不合格な内容となってしまうということです。ですから基礎の基礎である「問題」と「課題」の違いは十分再認識しておいてください。

 

ちなみに・・・趣味で最近、大学受験の「小論文」の問題を研究しているのですが、難しい問題だと技術士試験とは反対に条件が非常に乏しく、出題者からの「問いかけ」をある意味受験者が「推定」してから、論じさせるような問題があります。これも「発想力」や「想像力(創造力)」を見るのに良いとの考えで出題されていると思われますが、限られた時間の中でその後に自らの意見を述べ、時には例示などを入れ、納得性を持たせつつ、結論を書かなければいけないので、技術士試験のような専門的知識は不要なものの、これはこれで大変だと思います。

お時間ある方は以下の大学受験の小論文を考えてみてください。(今の高校生ってすごいですね)

 

 

 

【問】

「退屈の意味」について601字以上1000字以内で論じなさい。

(2023年度早稲田大学スポーツ科学部一般入試の小論文問題より)

 

→たんに国語辞書に書いてある「退屈」の意味を書いただけでは当然不合格だと思います。

(というかそれだけで1000字かけないし、もしかけるとしたらそれはそれですごいと思いますが、、、)

→「退屈」とはどんな状況なのか?

(マイナスなイメージだけ出すとそこで文章の発展性がないので、私なら逆を返して、「退屈」=「時間があること」=「すばらしいこと!」とつなげる)

→その状況を踏まえて、どんなことが「問題」で、それを解決していくため(課題)にはどうしていけばよいのか?

(なんで「時間がある」のに、それを活用できないのか?現代社会のせい?教育のせい?、、、、そのネックを解消するにはどのようにしていけば良いのか?スポーツを活用することで解消できないか?スポーツを活用することで波及効果も見込めるのでは?・・・などなど)

→最後に問題で問われている「退屈の意味」を再度明示するとともに自分の意見まとめを「結論」として主張する!

 

※あくまでも上記「→コメントと()書き」は私の考えであり、これが正解かどうかは不明なのでご参考に!